グローバルなネットワークでシェアされ始めている COVID-19 対策に役立ちそうなオープンソースの3Dモデルのをまとめています.
2020.05.07 : こちらのページではフェイスシールドだけを紹介しています.フェイスシールド以外のものについては別途ページを作成しましたので,そちらをご覧ください.
2020.04.16 : Happy Shield
(University of Cambridge, Department of Architecture
Centre for Natural Material Innovation
University of Queensland, School of Civil Engineering
Folded Structures Lab, UK)
https://happyshield.github.io/en/
英国ケンブリッジ大学建築学科,クイーンズランド大学土木工学科の有志によるフェイスシールドはシートの折りたたみ構造だけで装着と上部からの落下飛沫を防ぐことのできるデザインです.
A3サイズのラミネートシートで簡単に製作できます.
2020.04.09 : 試作 : Happy Shield
型紙を流用するなら透明シートにマジックペンなどで大まかな形をトレースして折り曲げのガイドにします.
今回は型紙そのものをラミネートしてしまいました.そのまま折り目として使えるので重宝しましたが,出来上がってから矢印などの情報が残っているのが気になるといえば気になります.そこを逆手にとってデザイン面での要素を付加することも考えられそう.
2020.04.16 : PROFAPLA
(PHOENIX EQUIPEMENT, France)
フランスのミリタリー用品サプライヤー,PHOENIX EQUIPEMENT によるフェイスシールドのフレーム.特徴的なのは平面形状で出力することで,1点あたり20分ほどで完成します.
ただ,出力には大型の3Dプリンタ (ベッドサイズが概ね,30cm x 30cm 以上) を必要とします.
また,無料での提供に限定されているので注意が必要です.
https://www.phoenix-equipement.com/profapla
2020.04.13 : 試作 : PROFAPLA
(PHOENIX EQUIPEMENT, France)
出力時間が短く,装着の際も透明シートに加工が必要ないので,最低限の手間で済むことは評価に値します.
プリンタ:Anycubic Chiron
ノズル径 : 0.8mm
レイヤ高さ : 0.3mm
出力時間 : 3hrs (10点を1度に出力)
また,バイザーにA4サイズの透明シートを使用すれば,A4サイズが入る封筒にフラットパッキングすることもでき,提供の際の大きな助けになるはずです.
惜しむらくは出力サイズのせいで製作できる3Dプリンタが限定されてしまうことですが,30cm角のビルドプレートのモデルなら対角線上に配置することでひとつずつであれば出力できます.
繰り返しますが,有償での提供は認められていないので,ボランティア団体などから無償提供する場合に採用するなど,運用面での工夫が必要になります.
2020.04.08 : 3D-PRINTED PROTECTIVE VISOR
(3DVERKSTAN, Sweden)
スウェーデンのアディティブマニュファクチャリングソリューションを提供する企業,3DVERKSTAN が提供しているフェイスシールド.
シンプルな構成ながら,飛沫が目に落ちてくるのを最大限防ぐ部分もあり,シールドはA4サイズのシートに2穴パンチで穴を開けるだけで使えるというシンプルなソリューション.
製作時間も短く済むので,大量に必要になる場合によさそうです.
https://3dverkstan.se/protective-visor/
2020.04.08 : 試作 : 3D-PRINTED PROTECTIVE VISOR
(3DVERKSTAN, Sweden)
プリンタ : Anycubic MEGA-S
ヘッドバンド :
ノズル径 : 0.6mm
レイヤ高さ : 0.3mm
出力時間 : 0.5hrs
シールド:
素材:ラミネートフィルム (何も挟まずにラミネート加工) 0.2mm,2穴パンチで計4ヶ所に穴あけ
-
穴あけガイド 80mm x 2
このPDFを印刷して矢印をガイドに2穴パンチで穴あけすると穴間ピッチが80mmのものになります
2020.04.06 Medical Visors
(Zortrax, Poland)
ポーランドの3Dプリンタメーカー Zortax 社が提供するフェイスシールドのデータです.
上部に保護ヴァイザーがつくデータも提供されています.柔軟性を考慮すると出力には TPU を使用した方がよいかもしれません.
https://library.zortrax.com/project/medical-visors-zortrax/
2020.04.10 : 試作 : Medical Visors
(Zortrax社, ポーランド)
洗練されたデザインが印象に残るフェイスシールドです.イタリアのランボルギーニ社が製作し始めたものの画像をみるとこのデザインに酷似していますが.興味のある方は関係を調べてみてください.
PRUSAのフェイスシールドのデザインにみられる前面にある突起を取り払い,合わせ構造になった薄いフレーム内部の突起でシートを保持するアイデア.デザイン面では評価できますが製作時に少し手間取りやすいかもしれません.
また,上部にバイザー付きのデザインをTPU (熱可塑性の柔軟な素材) で出力してみたところ,柔らかすぎて実用に適さないものになってしまいました.バイザーのせいで全体の柔軟性に問題があるような評価も見受けられましたが,TPUで出力するものではなさそうです.
2020.03.24 : Prusa Protective Face Shield - RC2
(Prusa Research, Czech)
オープンソース3Dプリンタ界に多大な貢献を続けるチェコのPrusa社が提供する特に医療関係者向けの保護シールド.
3Dプリントしたフレームに樹脂シートを取り付けるようになっています.
ドキュメントもしっかり読み込ましょう.製作者自身が感染している前提でどのように取り組むべきかが触れられています.提供時に気をつけたい消毒作業などについてもガイドラインが示されています.
https://www.prusaprinters.org/prints/25857-protective-face-shield-rc1#_ga=2.152324153.1028282866.1584851284-889277912.1584674419
2020.04.06 : 試作:Prusa Protective Face Shield - RC2
(Prusa Research, Czech)
プリンタ : Anycubic MEGA-S
ヘッドバンド :
ノズル径 : 0.6mm
レイヤ高さ : 0.3mm
出力時間 : 2hrs
ボトムホルダ :
ノズル径 : 0.4mm
レイヤ高さ : 0.15mm
出力時間 : 0.5hrs
シールド (レーザー加工 CO2レーザー30W):
素材:PP, 0.5mm
2020.04.13 : 試作 : 阪大モデル
(University of Osaka, Japan)
クリアホルダーをそのまま活用するアイデア.その辺にあるものでつくるアイデアが素晴らしいですが,実際に製作してみて,透明シートの取り付け方法,保持,クリアホルダーそのものの見た目など,惜しむらくは現時点であまり現実的なものと思えませんでした.
患者の立場で考えた時,医師や看護師がこのフェイスシールドだとするとちょっと残念な気がしてしまいます.
また,透明度が高いクリアホルダーを確保することも難しい状況にあります.
ただ,医療用として考えた場合,飛沫感染を最大限防ぐために,シールド下部が閉じた構造になっているのは非常に有効であると考えられます.