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FDM 式 3D プリンタ用フィラメント「TRF+H」販売のお知らせ

revised: 2021 / 12 / 27

「TRF+H」は,FDM 式 3D プリンタ用の感温性フィラメントで,出力後,ドライヤーなどで 45℃以上に温めると柔らかくなり,形状を変えられる素材です.造形後は室温にて数分で硬くなり,様々な用途に使用することができます.



例えば,3D プリントしたリハビリテーションの現場で用いるサポーターをクライエントにぴったりあわせてフィッティングしたり,フィギュアのポーズを自由に変えることができます.このフィラメントを使用すれば,平面状に 3D プリントしたサポーターを温めて,体表面にあわせてフィットさせることができます.

3D プリンタで造形する際,自由にインフィルパターンや充填率を設定できる特長を活かして,通気性の高いものやあらゆる方向に伸縮する特性をもったものをつくることができます.


私たちは,「TRF+H」で 3D プリントしたサポーターをドライヤーを用いてフィッティングするのと従来の方法のとを比較して,どの程度の優位性があるか,日本国内 35 名の作業療法士へのヒアリングを行い,高評価を得ました.その内容は査読付論文として学会誌に発表されています.


「TRF+H」はユニチカ株式会社が開発・製造を担当します.同社は 2017 年に革新的な特長を持つ感温性フィライメント「TRF」をリリースしました.市場からも一定の評価を得てきましたが,曲げ加工では素材に大きな変形が加わるため,従来の TRF では割れやヒビが入ることがありました.TRF の曲げ加工性 (耐割れ性) を改善すべく,材料開発を続けてきました.


ファブラボ品川は,共同研究者として,実社会でのアプリケーション例を模索し,3Dプリンタで製作する PPC サポーターの開発研究成果を学会発表しています.この度,量産体制が整ったのに伴い「TRF+H」として販売を開始しています.