ファブラボ品川ではともにつくり、ともに育むインクルーシブな社会を実現していくために一般社団法人ICTリハビリテーション研究会と連携して定期的にミニメイカソンを開催しています。
第3回目は横浜コミュニティデザインラボ/ファブラボ関内のご協力を得て2019年3月24日に開催しました。
インプットトーク
一般社団法人ICTリハビリテーション研究会 代表理事でファブラボ品川のディレクターを務める林からメイカソンの概要と3Dプリンタによる自助具製作の意義をお伝えし、2020年5月に開催予定の3日間にわたるメイカソンをご案内しました。
アイデアワーク
ニードノウアー4組にあわせて4チームに分かれ、午前中はニードの深掘りとそれを解決するためのアイデアワークを行いました。
様々なワークシートを用いながらニードを解決していくストーリーを明確にし、「アイデアスケッチ」の手法を活用してつくるもののイメージを具体的なものにしていきます。
今回あがった4つのニードはこちら。
・片手が不自由な方がパーキングチケットなどの支払機での手続きをスムーズに済ませるためのもの
・床に落としたものを拾うマジックハンドの代替
・車椅子の荷物掛け用フック
・キーボードポインター
アイデアの具体化、ものづくり
午前中に練り上げたアイデアを元に午後は具体的なものとして具現化していきます。
メンバーそれぞれの得意分野に集中し、企画、デザイン、ドキュメンテーションなど同時並行で作業を進めていきます。
ニード-1:チケトン
生活に車が必要な高齢男性のニード。右手が不自由なため、病院などのパーキングで駐車券を取ったり、料金を支払う際にスムーズにいく道具を必要としている。 不自由ではない左手だと遠いので、腕を拡張するツール「チケットトング:チケトン」3種を考案した。
ニード-2:床に落としたものを拾うマジックハンドの代替
落としたものを拾うのによく使われるマジックハンド。これをつかって紙やペン、ペットボトルといった様々なアイテムに対応できるようにしました。
ニード-3:車椅子の荷物掛け用フック
車椅子用の荷物かけフックをつくりたい。 車椅子利用者の介助者にとって、着替えや飲み物、多くのタオルなど、かさばる荷物をもっていく必要があります。 車椅子には荷物を置く場所がついておらず、ほとんどの方は車椅子の後方ハンドルやバックレスト(背もたれ)に背負わせるようにして移動している。 座り直す介助が必要な方に対して介助をするときに荷物を下ろしてから介助する方が、腰も痛めにくい。 荷物をかけるための、素敵な、フックをつくる。
・バックやリュックなど、荷物をかけるためのフック
・車輪に荷物が擦らないように
・車椅子の支柱サイズに合わせたぴったりのサイズのフックを、好きな色でつくる
・介助者が荷物を上げ下ろしするのに、手間のかからない、楽な形の荷物かけ 材料は、3Dプリンターと100円ショップで手に入るもの。
2種類の車椅子用のフックを考えました。
ニード-4:キーボードポインター
手が不自由でキータイプに不具合がある男性のニード。
従来はアイスの棒や割り箸などを口に加えて該当するキーを押す動作を取っている。しかし、この方法だと唾液がたまりやすくなったり、木屑が口の中にたまったりして快適なものとは言えない。
何らかの方法でキータイプが快適にできる方法を考えたい。
開催概要
日時:2019年3月24日 (土) 9:00~17:30
会場:さくら<WORKS>関内
主催:一般社団法人ICTリハビリテーション研究会
共催:NPO法人横浜コミュニティデザインラボ、ファブラボ関内、ファブラボ品川
協力:TOM global
協賛:ユニチカ株式会社
後援:一般社団法人 東京都作業療法士会